iPIYOPIYO.comのたまご教室
ここでの「たまご」とは鶏卵です

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「たまご」について
 
良いところ悪いところに追加書き込み 2013年6月
 

タマゴのタンパク質のアミノ酸組成は非常に優れていますから、他の食品のタンパク質を計るときの標準となります。
タマゴの殻の色は赤タマゴ(褐色)とピンク(うすい茶色)、白がありますが、外観的なものだけで栄養価にはかわりはありません。
また、現在では有精卵、無精卵の栄養的な差はないといわれています。

 

 
卵の構造を簡単に...  

以下は
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移動です

クチクラ
卵 殻
卵殻膜
気 室
卵 白
カラザ

卵 黄

タマゴの歴史
プロテインスコア
良いところ悪いところ
 
 
クチクラ
新鮮な卵をさわってざらざらした感じを与えている部分です。
卵を洗ったりすると失われます。クチクラが消失すると卵の表面がツルツルになります。売られている卵はほとんどが洗浄してあるためつるつるです。
クチクラは0.01ミリから0.05ミリの天然のコーティングみたいなものです。
産卵直後に卵殻の気孔(呼吸する小さな穴)をふさいでいて、微生物の侵入を防いでいますが、呼吸は許すというバリアです。お肌の角層みたいです(お肌は呼吸しませんが)。
 

 
卵 殻
にわとりの品種、日令(鶏の歳)、季節、飼育環境で変化します。
表面には呼吸のためのちいさな穴(気孔)がたくさんあります。(1個の卵に7,500から17,000個)
胚の呼吸に必要な酸素を取り入れ、炭酸ガスを放出し、水分の調整も行います。卵の殻の色は褐色のほうが市場に好まれるのですが品質や栄養には差がありません。最近は褐色の卵の割合が多くなりました。褐色の卵の殻は厚く卵黄、卵白の歩留まりが低くなりますが、輸送(購入後の持ち帰りも含む)などの際に発生する破卵を防ぐなどメリットがあります。
卵殻は約2パーセントの有機物を含み牛やブタの非コラーゲン態タンパク質に類似したタンパク質とコンドロイチン硫酸やデルマタン硫酸などの多糖体と複合体を形成しています。
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卵殻膜
ここも細菌の侵入を防ぐ役目をします。一枚の膜のようですが2層になっています。ゆで卵の場合通常では新鮮な卵は卵白にこの膜が付着したまま卵白が茹でられるのでむきにくくなり、産卵から時間が経つものは卵白の付着が減少してむきやすくなります。卵殻膜はタンパク質約90パーセント、脂質約3パーセント、糖類約2パーセントからなります。
 

 
気 室
産卵後に卵が冷えると気孔から空気が入り気室ができます。卵が古くなると少しずつおおきくなります。気室の部分で卵殻膜の2層構造をみることができます。ゆで卵にすると気室の部分が凹になります。
 

 
卵 白

一般にいわれる「しろみ」ですが、4層になっています。
外水様卵白、濃厚卵白、内水様卵白、カラザ層です。50パーセント以上が濃厚卵白です。卵白の中にはカラザがありますが、カラザは卵が回転しても卵黄の胚が常に上に向くように、また、卵黄が卵の中央に位置するように調整しています。
このため生卵は回転させると抵抗がはたらき回転はスムーズではありませんが、「ゆで卵」は内部が固まるからよく回転するようになります。

卵白は10パーセントほどのタンパク質を含んでいて、残りのほとんどは水です。
産卵直後の卵白はpH約7.5ですが時間がたつと上がっていきます。
pHが高くなると濃厚卵白の構成成分が溶け水溶性卵白へと変化していきます。
新しい卵は「しろみ」が盛り上がっていますが古い卵は「しろみ」が流れたようになっていく変化です。しろみの盛り上がりの状態をハウユニットであらわします。ハウユニットが高いほど新鮮といえます。新鮮卵で72以上、古くなると数値が低くなっていきます。

卵白にはリゾチームなどのいくつかのタンパク質が抗菌活性をもっています。これによって胚や卵を細菌感染から守っています。
しかし、時々食中毒の原因となるサルモネラ菌はリゾチームで殺すことができません。
70℃(中心温度)で3分程度の加熱をすれば死滅します。

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卵 黄

上の図はちょっといい加減ですが、
通常は黄色の濃い部分と薄い部分が交互に6層ずつになっています。
カラザ層はリゾチームを多く含んでいます。卵の鮮度が低下すると卵白と同じように卵黄が広がり高さが低くなります。これを数値でだしたものをヨークインデックス(Yolk index)といいます。36-44が新鮮卵、鮮度が低くなると数値が低くなります。

ゆで卵にした場合、鮮度が低下したものは卵黄の表面が緑黒色になります。これは卵白のタンパク質由来の硫化水素が加熱で発生しやすくなり、卵黄中の遊離Fe2+に結合して硫化第一鉄ができるためです。
この変色はゆでた直後に水などで急冷すると変色は少なくてすむそうです。
卵黄は 14.5パーセントのタンパク質、約29パーセントの脂肪分を含みカロリーは318kcal。鉄、カルシウム、リンなどのミネラルも豊富です。コレステロールの問題で卵を食べない人も増えているようですが、実際にはほとんど問題ないといわれています。高齢者でも1日1個から2個くらいは食べるほうがいいという話もあります(嫌いなら無理に食べる必要はありません)。
2015.6追記
2015年厚生労働省はコレステロール摂取基準を廃止しました。

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タマゴ

歴史

日本人は昔からタマゴを食べていたわけではありません....
タマゴは古いようで新しい食品です。
タマゴは六十年前くらいまでは高級食材(食品)でした。

仏教が入ってくる前の原始的な宗教観が庶民を卵から遠ざけていたようです。
日本書紀では天地が生まれる前の世界は卵のような状態であったと記され、卵は現世の生命の根源と考えられていた..そのようなものを食べては大変だ(バチがあたる)ということになっていたのでしょう。また、鶏が時を告げる神聖な鳥であったことも卵を食べなかった理由と思われます。

もちろん飢えが生死に直結するような場合ではそうしたタブーも後回しにされたことでしょう。しかしタマゴを畏怖する原始的な感覚は絶えず受け継がれてきました。
それがのちに仏教の殺生禁断思想と結びついてタマゴを食用とするすることを忌避する習慣が根付いたといわれています。

外国の文化が伝来すると南蛮料理や南蛮菓子などでヨーロッパ人や中国人がなんの抵抗も持たず鶏肉やタマゴを食べることを知り庶民はショックをうけました。

徐々にタブーがとり払われると本来の食味 栄養価 などが認められタマゴはポピュラーな食品の地位を獲得することになります。幕末の江戸では茹でタマゴを売り歩く物売りの声が風物の一つにさえなりました。

 

 
プロテイン
スコア

卵のプロテインスコアは100です。
プロテインスコアは必須アミノ酸が各満杯の状態で100、一種でも不足していると点数が落ちます。ちなみに牛レバー84、もめん豆腐67、米76のように。プロテインスコアが100かそれに近いものを高品質のタンパク質といいます。
ただし卵には食物繊維、ビタミンCは含まれません。鳥類はビタミンCを体内で合成することができるからです。
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(参 考)
鶏のエサからは卵黄脂質へ脂肪酸や脂溶性ビタミン、ミネラルが移行することが知られています。これにより「なんとか強化卵」などの「特殊卵」が生産されています。
卵によっては飼料への配合の具合で「生臭い」とか「魚臭い」といったことも起こります。昔は抗生物質を使って産卵率を向上させる手法がとられていたことがありましたが、卵への移行問題で現在では行われていません(採卵鶏の場合)。
鶏も生き物ですので病気の治療にはクスリを使うことになるのですが、残留期間が過ぎるまで投薬対象鶏の産卵した卵は出荷できません。
抗菌剤などの残留した卵は流通していないということです。
農場では鶏の環境管理・健康管理についてはとても神経をつかっています。
 

 
たまごの
いいところ
なんといっても体の素材として必要な良質なタンパク質の供給源です
一般に販売されている殻がついている卵は国内産です。

追加書き込み 2013年6月
 著者 近藤 誠
「医者に殺されない47の心得」
144頁 心得28より
-略-
タマゴはとりわけ半熟状態で消化がよく 離乳食や病人食にも最適
ビタミンC以外の主要な栄養素をすべて含み、必須アミノ酸の組成もパーフェクトです。
卵黄には脳 神経組織をつくるために不可欠なレシチンも豊富です。
         -略-
人間の体の20%はタンパク質で、それを形成するアミノ酸は20種類。そのうち、体内で合成 することのできない9種類が「必須アミノ酸」で1種類でも欠けると、骨や血液、筋肉などの合成ができなくなって栄養障害につながります。
アミノ酸サプリが人気を呼んでいるようですが、20種類のアミノ酸をひとつひとつ工業的に作って配合したものを、お金を払って摂るなど愚の骨頂です。タマゴと牛乳を毎日食べて飲んでいればこれほどカンペキな天然サプリはありません。
100歳になっても自立して「服を着る」「トイレに行く」などの身の回りのことを自分でできる人に共通する、食生活の特徴。 それは「タンパク質をしっかり摂っている」ということです
         -略-
体と脳をしっかり維持していくために生涯、タンパク質と脂肪を十分に摂り続ける必要があります。
         -略-
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たまごの
悪いところ

アレルギーの原因となります....主に卵白が原因といわれていますが卵アレルギーと診断させると卵を使用した食品を全て除くことになります。乳幼児のアレルギーの場合では栄養価の高い卵を省くことは不幸なことです。アレルギーはたべすぎが引き金になることもあるといわれています。
コレステロールが多いといわれています。
コレステロールはすべての動物組織に分布する脂質の一種です。
神経 脳脊髄などに多く 生体膜の重要な成分です。
鶏卵一個を60グラムとしたら卵黄は18グラム程度になり、卵黄一個のコレステロールは230Jになります。さらにコレステロールの消化吸収率は約50パーセントとされています。
成人健常者で一日に約800ミリグラムのコレステロールが体内で合成されていています。この合成量は、食べて体内に入ってくるコレステロール量で調整されていますから心配ないといわれます。

 
   

ややこしいコレステロールの問題-追加
ややこしいのですが体が自分で合成する量を調整するため問題はありません。タマゴと心疾患の関係は否定的な研究データがたくさん報告されているようでまずは心配ないといえるでしょう。

コレステロールは体に必要なものですから タマゴが大好きというひとは我慢することはないと思います。
お年寄りはタマゴが好きという方が多いのですが..たまご好きなら食べたほうがいい。
昔聞いたハナシですが、たまご大好きなおばあちゃんが亡くなるとき「たまごが食べたい..」が最後の言葉だったというのがありました...医者から止められていたそうです。

 
 

卵白が原因の「鶏卵アレルギー」は年齢(消化器の成熟)とともになくなることが多いようです。まれに卵黄や羽毛が原因となる「bird-egg症候群」がありますがこれは成人にみられます。
「鶏卵アレルギー」の卵抗原の感作成立は、母親の摂取した抗原が胎盤経由で胎児を感作する子宮内感作、母乳により乳幼児が感作される経母乳感作、本人の摂取による感作成立が考えられます。
卵白のタンパク質のうちオボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフェリン、がアレルゲンと考えられていますがリゾチーム、オボムチン、も弱いながらアレルギー活性をもっています。その他にも約10種類がアレルゲンとして発見されています。
この中でもオボムコイドが重要なアレルゲンと考えられています。


※オボムコイドは食欲を抑える働きがあるともいわれています
 
 

「bird-egg症候群」
鶏卵を食べたりトリ(鶏、オウム、セキセイインコなど)と接触することで過敏反応をする。トリの飼育歴がある成人女性に多くみられる。トリの羽毛、糞を吸入することで感作するといわれています。
鶏卵を食べると、痒み、蕁麻疹、呼吸困難、おう吐、神経血管浮腫などの症状がでる。また、トリに触ると呼吸困難、結膜炎、鼻水、などが出現する。

 
 

.......と言うことで卵の大きなデメリットはやはりアレルギーでしょうか

 
 

卵は自分で自分を守る機能をもった食品です。
卵の成分中には栄養学的によく知られたものもありますが、
組成や作用のよく知られていない微量成分も多くあります。

冷蔵庫の中から卵をとりだして眺めてみてください。
たまご型といわれる美しい流線型は巣の中で転がった時にもとの位置に戻るための形です。


iPIYOPIYO.comの商品にも卵は大活躍しています。
2015.6追記
※2015年厚生労働省はコレステロール摂取基準を廃止しました。

 

 
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  2013年6月

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